あの日の帰り道
そんな考え事をしながら歩いてたから
でこぼこと厚みの違う石畳の僅かな段差につまずいた。
「っ!!」
転ぶっ!
前のめりになって焦った瞬間、身体を支えられて事なきを得た。
「あ、相沢くん………ありがとう」
転びかけた私は相沢くんの胸に飛び込んで支えられていた。
バイクでは背中に抱きつき、今度は前から抱きつくなんてっっ!
今まではただのバイト仲間としか思っていなかったのに、今日は朝から相沢くんの高校生とは思えない男らしさばかりを目にしてめちゃくちゃ恥ずかしくなった。
「大丈夫?……階段が危ないから」
階段?
言われて前を見ると確かに石畳の階段が見えていた。
数段登っては少し平らな石畳、また数段登っては石畳と断続的に階段がのびているのが見えた。