あの日の帰り道



その沈黙を破ったのは上杉くんだった。



「ねぇ咲季ちゃん。
俺と晃司どっちが好き?」



「………へ?」



いきなりの質問に魔の抜けた声が出た。



俺と晃司………上杉くんと相沢くん?

ってか、なんでそんな質問になるのっ!?



言葉を認識した途端、顔が熱くなるのがわかった。



「ほら、勝手にストーカーして俺らが逆に怪しまれたら面倒でしょ?だから、俺か晃司が彼氏ってこ」
「それなら俺が彼氏でいいだろ」



上杉くんの言葉を遮って宣言した相沢くんを思わず凝視した。



「俺は咲季と同じバイトで」
「それなら俺は前に晃司以外で好きな奴に選ばれてるぞ?」



はい!?!?!?

上杉くんまで何言ってるのっ!?!?



「俺は咲季ちゃんが好きだから金田から守ってあげるよ」



視線を合わせてきた上杉くんが急に真面目になって宣言した。



「俺のが咲季を好きだ。咲季、俺を選んで




相沢くんまで釣られてそんな宣言しないでっ!


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