あの日の帰り道


この二人は自分達がイケメンだと気付いててこんなバカげた告白をしてるのだろうか?



もう23時になる店内には一人で来た客がバラバラに離れた席に4人いるが、その4人共が二人の宣言を聞いたようでチラチラと興味本位な視線を投げてくる。



どちらか選ばないとダメなの?



というか彼氏を作らないとダメなの?



…………。

相沢くん。

そう素直に言えたらどんなにいいか。

相沢くんが彼氏になったらきっと舞い上がってしまうだろう。

本気で付き合おうと言われてる訳でもないのに今よりもっと好きになるだろう。



それが分かるから選べない。



かと言って、上杉くんも選べない。



上杉くんは………
多分私の気持ちに気付いてる。



相沢くんの誕生日の日に、
晃司以外で好きな人いる?と聞いてきた。



私も自覚してなかったのに、きっと気付いてたんだ。



だから今もこうして私に選ばせる形で私と相沢くんが付き合えるように仕向けてくれてる。



いくら私でもさすがに気付く。



相沢くんが私に好意を持ってくれてる事を。


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