あの日の帰り道
上杉くんと相沢くんの学校は進学校だ。
最初は私も上杉くん達の学校を薦められた。
でも、無理してでも上の学校を目指して今の高校を選んだ。
だからなんとなく分かる。
上杉くんも相沢くんも成績は良い方だと思う。
相沢くんの誕生日の帰り、マックで少し勉強していくと言うと私が帰るまでずっと一緒にいてくれた。
流石にこの時は勉強の邪魔をせず、バッグに入っていた他の教科書を見たいと言うので渡したら興味深そうに二人で見ていたくらいだ。
ただそんな進学校の中でも二人は特別なんだと思う。
相沢くんはバイト三昧。
私のクラスメイトみたいに塾や習い事に行く子は多いがバイトしてる子はそうそういない。
上杉くんは逆に何もしていない。
中学までは塾も習い事もしてたようだが詳しくは知らない。
ただわかるのは裕福な家の息子だということくらい。
服やアクセサリーにあまり興味の無い私ですら知ってる有名ブランドの服を嫌味なく着こなす。
というか、
前に相沢くんが呟いた「ケンカ慣れしてる」せいか、隣のヤンキー高校に沢山友達がいるから?
金田の一件で車両を移動した時に感じた他校の女子が二人へ送る視線が神がかっていた。