あの日の帰り道
そんな上杉くんとお昼だなんて、上杉くんのクラスの子達に見られたらヤバいんじゃないの?
と思わず躊躇したが「大丈夫だよ」の一言で連れて来られたのは、上杉くん達が乗り降りする駅だった。
私は初めて降りる駅。
「こっちだよ」
いつも相沢くんが通ってる駅前をきょろきょろと見渡していたら上杉くんに手を引かれた。
とある駅ビルの前に、何やらチャラそうな学生服の軍団が見えた。
事もあろうか上杉くんはその軍団に声を掛けた。
「お待たせ〜。じゃあ行こうか」
驚いたのは私だけでなく声を掛けた軍団の人達もだ。
「えっ!?上杉が女連れ!?!?」
「謙次、彼女いたの?」
「あれ?彼女の制服………って晃司の彼女じゃね?」
上杉くんに詰め寄ったうちの一人が相沢くんの名を出すと、軍団の皆んなが私を見た。
「今日は俺の彼女の日なの〜」
私の肩を抱き寄せて宣言した上杉くん。