あの日の帰り道
「咲季、今からちょっと……2時間だけ俺に付き合ってくれないかな?」
頬に触れた手が、私の顔を少し持ち上げて相沢くんを見るように促した。
目が合った相沢くんは優しく微笑んでから言葉を足した。
「と言っても、断らせないけど」
さっきの優しい笑顔が一転して無邪気な悪戯っ子のような笑顔になった。
思わず目を見張った時には頭にヘルメットを被されていた。
「!?!?」
な、何!?
一瞬でテンパった私。
気付くと腕を引かれ立ちあがっていた。