あの日の帰り道
疾走するバイクに跨がっている私。
前回と違って暗い夜道は、対向車のライトが眩しく光り、流れる景色全てが暗く視界を奪うので恐怖感が涌いてくる。
振り落とされないようにと前回以上に相沢くんにしっかりとしがみ付く。
制服のままの私は、相沢くんが貸してくれた薄手の長袖シャツを着ていた。
膝上丈の制服のプリーツスカートでは走っている時にスカートがめくれるからと、半強制的に長袖シャツを着させられた。
相沢くんのシャツは、私が着るとスカートがすっぽりと隠れる程の長さだった。
そのままバイクに跨がるとのお尻でシャツを抑え込みスカートがシャツに隠れてパンツが丸見えになることは避けられた。
でも。
さっきまで相沢くんが着ていた温もりが残るシャツを着させられたから、私の思考は100%相沢くんで占めてしまった。