The Math Book

 そして二月一日。
 
 両親に連れられて行った塾。当時はあまりにも緊張していた。
 
 塾の扉を開けて入った瞬間、

 「こんにちは!」

 という講師たちの熱い挨拶の合唱に驚いてしまったことを今でも忘れていない。
 
 少し小柄で優しそうな雰囲気の塾長に案内をされ、入塾手続きを済ませた。
 入塾手続きは自分の学力状況と塾の使い方について説明を受け、三十分ほどで終わった。

 もうその次の日から授業が始まると聞いて、念願だった塾の生徒に明日からようやくなれるのかと非常に嬉しかった。
 


 まさか塾に入ったことで人生が大きく変わるなんて思っていなかったし、
 ここである意味運命の出会いをすることになるとは想像もつかなかった。
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