The Math Book
 正直目の前にZ先生がいると気まずかった。

 恐らくZ先生も同じ気持ちだったのだろう。

 むしろZ先生の場合は生徒だけでなく生徒の親までも来ていて、しかも私の母とは初対面だったので尚更緊張したのであろう。
 
 かわいそうに、Z先生はかなり緊張していて言葉を何度もつっかえながら春期講習について説明をしていた。

 本人は焦っていたと思うが私はというと、いつもそっけないZ先生が面白くて笑いを必死で堪えていた。
 
 一方、私の母親もなかなか意地悪な質問をしてZ先生を困らせていた。やはり親子というのは似てしまうのだろうか。

 Z先生の緊張ぶりを見て面白がっていた私だったが、一つだけドキッとしたことがある。

 
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