The Math Book
最初は全くムーミンに似てるとは思わなかったので塾での授業中、特に問題なく過ごすことができていた。が。
しかし運の悪いことにこの頃はちょうど電車のコマーシャルはムーミンが使われている時期だった。
画面に写っているムーミンを見ているとだんだんZ先生に似ている様に思えて来てしまったのだ。
踊っているムーミンに電車で出くわす度にあの焼き鳥を食べた日の夜とZ先生の顔を思い出してしまう。
必死で笑いを堪えていた。
それでも笑いを堪えきれずに何度吹き出したことか、数えきれない。
一番最悪だったのはZ先生に会う時。毎回Z先生の顔を見る度に電車のコマーシャルで踊っているムーミンを思い出してしまい、笑わずににはいられなかった。
Z先生の前で「先生、ムーミンに似てますね」なんて言える訳もなく毎度笑う度に
「人の顔見て笑うとか最低じゃん、意味わかんない」
とZ先生に怒られる始末だ。
どう考えても私は人間として最低なことをしている。でもムーミンに似ていると言い出したのは私ではない、母なのだ。