The Math Book

 先生はちょっといたずらっぽく笑いながら答える。

「でも絶対先生は代わりの授業いやじゃないですか、めんどくさいですし」

「いや、俺は授業をしたいです」

「嘘ですよね、わかってますよ」

「本当に授業をしたいです」

「じゃあ私は授業に来ませんよ、絶対に」


「それでもいいです。俺はずっとこの教室で待ってますから」
 
 その言葉に少しどきっとしたが、やっぱりZ先生のためだ。

 簡単にわかりましたなんて言えるはずもない。

「本当に今日の授業に心から満足しています。だから本当に代わりの授業とかいらないですってば。」

「だから俺はこの授業に満足していません。やらせて下さい」

「いやです」

「この通りです、お願いします!」

 そう言ってZ先生は椅子に座りながら自分の膝に額をすりつけた。

「無理です」

「お願いします!」

「いやですって!」
 
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