僕の居場所は
「僕は……僕なんて……っ、死んじゃえばいいんだ……」

ポツリと独り言を呟く。

「先輩……1人で苦しまないで。死にたい、なんて思わないで……俺は、先輩の味方だから……生きて」

何で……何で、そんなことを言うの?分からない……。

「……うるさい」

無意識に、僕は呟いていた。

「え?」

「うるさい!あんたに、僕の何が分かるの!?僕なんかに構わないでよ!!僕なんて、誰にも必要とされてないんだからさ……っ!!」

僕はすべてを翠にぶつける。一瞬翠は悲しそうな顔を見せたような気がした。

「そっか。辛かったんですね」

「え……」

翠はそっと僕を抱き締めると、優しく頭を撫でる。正直、恥ずかしさよりも戸惑いの方が勝ってる。

「俺の親友ね。自傷行為をして、1人で抱え込んで……それで、自殺したんです……親友を失って、悲しかったし苦しかった。そして、何よりも親友を救えなかった自分を恨んだ……でも、それ以上に、大切な誰かを救えるようになろうって……」

ゆっくりと、翠は僕を抱き締めたまま話を始めた。

「……先輩。俺、救いたいって思える大切な人が出来ました……それは、先輩です。先輩は、自分が思っているよりも、ダメな人間じゃないんです……それに、先輩には……イラストという武器があるじゃないですか!」
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