ハナヒノユメ
「保坂先輩。安東です。また来ました。」

下を向いていた彼は少し顔をあげた。

「調子はどうですか?
今日はいい天気ですよね。窓開けましょうか。」

少しだけ窓を開けてみる。

風が、彼を優しく撫でているようだった。

目立った反応はないけど、目には少しずつ光が。

なんて気のせいかな?

また、肩に触れたりしてあげたらどうかな?

いきなりじゃびっくりしちゃうかな。

「先輩。」

そっと手を置くと。

少し、口元が緩んでいるような気が。

肩にもあんまり力が入ってないから、リラックスしてるのかも。

えっと、何か話をしてあげよう。

私の話しかできないけど。
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