ハナヒノユメ
「君がここに来るように言ったのは...真美だよね?」

あ...。

そっか...全部分かってるんだ...。

「ごめんね。どうか彼女のことは、嫌に思わないでね。僕が全部悪いんだから。
許してあげて。」

この手...これ以上は...。

少しずつ、彼の手を握る力が弱まっていく...。

弱まって...しまいには。

...。

だめだから...。

だめ...。

「だめ...。」

...。

だめだ。

手がどうしても離せない。

離れない。

泣きそうだった。

...いいんだろうか。

私なんかで。

「あ...。」

また手を強く握られた。

「さっきとは...矛盾してるし、意地悪だけど、出来るなら、ここに来て。」

「...はい。」

「側にいて。」

「...うん。」
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