ハナヒノユメ
「ただいま。」
家に帰ると、父親が神妙な顔をして待っていた。
「桜、最近学校が終わったあと何をしてるんだ?」
「別に。いつもどおり塾行ってる。」
「成績が伸び悩んでいるようだが。」
...めんどくさいな。
「桜は何を目指してるんだ?」
「そんなの今は分かるわけないじゃん。
とりあえず進学のことしか考えられない。」
「それなら、塾にいく必要はあまりないんじゃないか?」
「どうして?」
「何になりたいがためにこの学校に入るっていう目的がない以上、無理して続けなくてもいいよ。」
「そんなに失望してるの?私に。」
「失望なんてしていない。
ただ、最近は何やら勉強以外のことに気が向いていそうだったから。」
「...。」
「むしろ、逆なんだよ。桜は父さんの期待以上に頑張ってるから。できれば無理はしないで楽にしていてほしいんだ。
元はといえば、塾に行くって言ったのも桜からだったし、やめたいと思ってるならやめたっていい。」
「別にやめたいって思ってるわけじゃないけど。」
「でも、大変なんだろう?
先生からきいたんだよ。最近委員会や部活も用事があるって切り上げることが多いって。」
「それがなに?」
「何か困ってることがあるんじゃないか?」
「別にない。」
「こんな父親だから、頼りたくないのも分かるけど、ひとりで抱え込まないでほしいとは思ってる。だから...俺自身も再婚しようか考えてたりするんだ。」
「やめてよ。そんなの私を使って言い訳したいだけでしょ。」
「でも、このままずっと片親のままなのもつらいだろう?」
「別にこのままでいい。
私はひとりでも。」
「桜...。」
「まあ、別にお父さんが好きな人であれば勝手に再婚すれば?
私のためにとか大義名分作るのだけはやめて。
私だって好きに恋愛させてもらうから。」
「...!
お前まさか彼氏が出来たのか?」
「...は?
なんでそんな話になるの?」
なんか、父親の目が点という感じで、こっちの出鼻がくじかれたようだ。
何考えてるのこの人...。
「だって恋愛させてもらうって...。」
「いやそれ例えだから。」
「でもやっぱり好きな人はいるんだよな...。」
「そんなことお父さんには関係ないでしょ。」
「関係ないんだけど、関係あるっていうか...。」
「はぁ?」
「一応父親としては...心配というか...。
桜はまだ若いし騙されたりとかしないかって。」
「あー。
お父さん自体めちゃくちゃ騙されてるもんね。」
「そんなことは...。
とにかく、心配なんだよ。」
「きも。」
「おい...。こっちは桜のためを思って...。」
「はいはい。そうですねー。
別に、用事っていうのは前に話した先輩のお見舞い頼まれてただけだから。」
「ああ...近くのマンションに住んでた...?
事故だったらしいよな。」
「そう。だいぶ調子は良くなってるみたいだけど。」
「その人と何か話したりするのか?」
「何って別に...大したことは。」
「確かその先輩っていうの、男だったよな。
まさかそれでその人のことが...。」
「何言ってんのよ!
そんなわけないでしょ!?」
「...そんなわけありそうだな。」
カッとなってリビングソファにあった枕を投げつけてやった。
何にやにやしてるの...気持ち悪いな。
家に帰ると、父親が神妙な顔をして待っていた。
「桜、最近学校が終わったあと何をしてるんだ?」
「別に。いつもどおり塾行ってる。」
「成績が伸び悩んでいるようだが。」
...めんどくさいな。
「桜は何を目指してるんだ?」
「そんなの今は分かるわけないじゃん。
とりあえず進学のことしか考えられない。」
「それなら、塾にいく必要はあまりないんじゃないか?」
「どうして?」
「何になりたいがためにこの学校に入るっていう目的がない以上、無理して続けなくてもいいよ。」
「そんなに失望してるの?私に。」
「失望なんてしていない。
ただ、最近は何やら勉強以外のことに気が向いていそうだったから。」
「...。」
「むしろ、逆なんだよ。桜は父さんの期待以上に頑張ってるから。できれば無理はしないで楽にしていてほしいんだ。
元はといえば、塾に行くって言ったのも桜からだったし、やめたいと思ってるならやめたっていい。」
「別にやめたいって思ってるわけじゃないけど。」
「でも、大変なんだろう?
先生からきいたんだよ。最近委員会や部活も用事があるって切り上げることが多いって。」
「それがなに?」
「何か困ってることがあるんじゃないか?」
「別にない。」
「こんな父親だから、頼りたくないのも分かるけど、ひとりで抱え込まないでほしいとは思ってる。だから...俺自身も再婚しようか考えてたりするんだ。」
「やめてよ。そんなの私を使って言い訳したいだけでしょ。」
「でも、このままずっと片親のままなのもつらいだろう?」
「別にこのままでいい。
私はひとりでも。」
「桜...。」
「まあ、別にお父さんが好きな人であれば勝手に再婚すれば?
私のためにとか大義名分作るのだけはやめて。
私だって好きに恋愛させてもらうから。」
「...!
お前まさか彼氏が出来たのか?」
「...は?
なんでそんな話になるの?」
なんか、父親の目が点という感じで、こっちの出鼻がくじかれたようだ。
何考えてるのこの人...。
「だって恋愛させてもらうって...。」
「いやそれ例えだから。」
「でもやっぱり好きな人はいるんだよな...。」
「そんなことお父さんには関係ないでしょ。」
「関係ないんだけど、関係あるっていうか...。」
「はぁ?」
「一応父親としては...心配というか...。
桜はまだ若いし騙されたりとかしないかって。」
「あー。
お父さん自体めちゃくちゃ騙されてるもんね。」
「そんなことは...。
とにかく、心配なんだよ。」
「きも。」
「おい...。こっちは桜のためを思って...。」
「はいはい。そうですねー。
別に、用事っていうのは前に話した先輩のお見舞い頼まれてただけだから。」
「ああ...近くのマンションに住んでた...?
事故だったらしいよな。」
「そう。だいぶ調子は良くなってるみたいだけど。」
「その人と何か話したりするのか?」
「何って別に...大したことは。」
「確かその先輩っていうの、男だったよな。
まさかそれでその人のことが...。」
「何言ってんのよ!
そんなわけないでしょ!?」
「...そんなわけありそうだな。」
カッとなってリビングソファにあった枕を投げつけてやった。
何にやにやしてるの...気持ち悪いな。