ハナヒノユメ
家に帰り、ゆっくりお風呂に浸かる。

今日、保坂先輩と...。

「やだ、なに考えてるんだろ...。」

...ほんとは、そういうことより、

先輩に好きだって言ってもらったことが大切なのに...。

「なんであんなことしちゃったのかな。」

今まで、自分のことは自分で制御できるとは思ってた。

でも、彼の前だと違うみたいだ。

かわいかった...。

綺麗だなって、思った。

好きだって気持ちが、知らないうちに爆発しちゃったのかな。

それとも、人を惹きつける何かを、彼が持っているのかな。

それで、彼のことを好きになると、自分のことが嫌いになるから、

これから私は彼の彼女や家族のように、

彼のことを嫌いにならなきゃいけないって思うのかな。

でも、今は。

嬉しいって思ってる自分がいる。

そういう自分が嫌なのに。

今だけならいいかなって...。

ふわっとしたあたたかな空気に肌が火照っているのが分かった。
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