『ねこねこ幼女』の姉貴分〜ミメット姉さんの奮闘(書籍化記念SS)
「まあこんな感じで、エリナちゃんが来る前の青弓亭は、ある意味恐ろしい場所だったんだよね」
「そうだったんですか……」
犬のマイクが店の後片付けをするエリナに話をしていると、ミメットが文句を言った。ちなみに、狼隊長のルディもエリナと帰るために閉店後の青弓亭で待っている。
「ちょっとマイクー、恐ろしいってなにさ。ひどくない?」
「あははは、ごめん。でも事実だよね。あの状況でも毎朝順番に青弓亭に通った僕たちってすごくない?」
「勇者と呼ぶわ!」
きっぱりと言い切ったミメットに、たまらずエリナは吹き出した。
マイクは優しい目をしてミメットに言う。
「だけど、今のミメットはあの頃とは違うよ。肉の焼き方だって上手だし、スープもシチューもとびきり美味しいものを作るんだもんね」
「いやまあ、それは、エリナが仕込んでくれたからさ……」
「エリナがいくら教え上手でも、ミメットにまったく才能がなければこんなに料理上手にならなかったし、小さなエリナに素直に教えてもらったミメットの度量の大きさは大したもんだよね。さすがは旋風のミメットだよ」
「なにさマイク、褒めてもなんにも出ないからね!」
「それは残念だなー」
「……まあ、これで我慢しておきなよ」
そう言うと、ミメットは小さな包みをマイクに渡した。
「おやつにエリナと作った焼き菓子だよ。あまりないから、他の隊員たちには内緒だからね」
「おっ、やったー!」
特別なお菓子を貰ったマイクは大喜びで尻尾を激しく振り、そんなふたりの様子を見ていたエリナとルディは目配せしあい、意味ありげに笑うのであった。
「そうだったんですか……」
犬のマイクが店の後片付けをするエリナに話をしていると、ミメットが文句を言った。ちなみに、狼隊長のルディもエリナと帰るために閉店後の青弓亭で待っている。
「ちょっとマイクー、恐ろしいってなにさ。ひどくない?」
「あははは、ごめん。でも事実だよね。あの状況でも毎朝順番に青弓亭に通った僕たちってすごくない?」
「勇者と呼ぶわ!」
きっぱりと言い切ったミメットに、たまらずエリナは吹き出した。
マイクは優しい目をしてミメットに言う。
「だけど、今のミメットはあの頃とは違うよ。肉の焼き方だって上手だし、スープもシチューもとびきり美味しいものを作るんだもんね」
「いやまあ、それは、エリナが仕込んでくれたからさ……」
「エリナがいくら教え上手でも、ミメットにまったく才能がなければこんなに料理上手にならなかったし、小さなエリナに素直に教えてもらったミメットの度量の大きさは大したもんだよね。さすがは旋風のミメットだよ」
「なにさマイク、褒めてもなんにも出ないからね!」
「それは残念だなー」
「……まあ、これで我慢しておきなよ」
そう言うと、ミメットは小さな包みをマイクに渡した。
「おやつにエリナと作った焼き菓子だよ。あまりないから、他の隊員たちには内緒だからね」
「おっ、やったー!」
特別なお菓子を貰ったマイクは大喜びで尻尾を激しく振り、そんなふたりの様子を見ていたエリナとルディは目配せしあい、意味ありげに笑うのであった。