俺様部長のめしつかい


「やめーいっ」

阻止するために、湊斗の足を掴んでやった。

「おい、こら、離せ。危ねぇ」
「あんた、ほんと帰って」
「残念だな。
俺様の家のと違う」

で、この後帰るかと思いきや、
なぜか湊斗は、
この極小の部屋に居座ったんだよね。


無断でベッドに寝転がったり、
乙女のクローゼットをあさり、
コーヒーいれろとか、
おやつを出せとか、
終いには御飯作れとか言い出してさ。



「あんた、暇なの?」
「俺様はいつも忙しい。
今はめしつかいの見張りだ」


湊斗ってば、
私のベッドの上で
ファッション雑誌の先月号を
ペラペラめくってる。

女子の服装なんて見てどうすんのよ!


「ねぇ、そろそろ帰ってくれない?
掃除したいんだけど」
「お前、俺様が直々に来てやってるのに、
帰れだって?」


来てって頼んでないのに。


「俺様はお前が電球を買ってくるまで、
ここから動かねぇからな」



あまりにも電球電球言って、
本当に面倒臭いから、
言われたやつを買ってきてあげたら、
あいつは私のベッドで
気持ち良さそうに寝てたし!


人をつかわせておいて、自分は寝るとか…


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