俺様部長のめしつかい
かなっちは目を輝かせているけど、
ダメだからね。
あいつ危険な奴だからね!
「優しい?あれが?」
「うん。先週の金曜日だって、
かなが間違ってた資料を
何もいわず直しててくれてね。
後でかなが気づいて謝ったら、
気にしないでって、
笑顔で言ってくれて…」
まじでか。信じられん。
あの乱暴で口の悪い奴がだと?
「それに見て、スタイルいいよね。
芸能人にいそう」
「まー、そうだけど…」
で、志崎という奴を目で追っていたら
私たちの前へやって来てしまった!
「橋田さん?」
「わっ!志崎部長!」
「ここ、座ってもいいかな?」
え?
えー?!
なんでー!?
しれっと私たちの前に
座ったんだけど?
え、なに?
かなっち、こいつと仲いいの?
って最近来たばっかだよね?!
「ごめんね。
俺、邪魔だったかな?」
うっわぁ…
金曜のこいつを知ってるから、
この王子様みたいな笑顔も
胡散臭く見えるわぁ。
「大丈夫ですよ」
いや、大丈夫じゃないよ、かなっち!
「こちらの方は?」
「えっと、総務の川村さん。
同期で仲良いんです」