いつかの青空へ
 実験はスムーズにいき一番最初にレポートを提出することができた。
なんといっても嬉しいのが今井君から言われた「すごい見やすかった。ありがとう」この言葉だった。
 その話を凛にしたら聞き飽きたような顔をされてしまった。

「紺野さん、ここの問題わかる?」
「あ、えっと」
 今は何故か私が今井君に勉強を教えている。

 ことの発端はとある授業にて、先生が放った言葉。
「次のテストで赤点取った奴は夏休み補修あるからな~」
この言葉を聞いた凛がすかさず私の方を向き泣きそうな目でこちらを見つめてくる。
「勉強教えてください!」
 休み時間になった瞬間凛が私に頭を下げる。
「紺野さんって成績よかったりする?」
 そんな私と凛を見ていたのか橋本君が私に声をかけてきた。
「夏澄は頭いいよ」
「ふ~ん……もしよかったらこいつに勉強教えてやってくれない?」
「えっ?」
 橋本君が指さした先にいたのは今井君で。
話を聞くと赤点を取りそうだからと橋本君に頼んだけど橋本君も成績がいい訳では
ないので困っていたところらしい。
「もちろん、私で良ければだけど」
「だってよ、蓮」
「ほんとにごめん。助かる」
 
 といった感じで私、凛、今井君、橋本君のメンバーで勉強会をすることに
なってしまった。私の心臓はもつのだろうか。
< 3 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop