何様のつもり?
すれ違いの日々
映画を見てから、自分で自分のことを好きになってあげようと思えるようになった。それからは、忙しい毎日の中でも楽しみを見つけられるようになった。


蓮翔とは、あの電話以来会っていない。

お互い忙しいし、私は締切間近になると、ほんとに忙しく編集に追われる。

らんさんは、こんなに忙しい中でも2人の時間を大事にしてたんだなぁ。なんて感心してしまった。あとで、落ち着いたらどうやったら上手く付き合っていけるのか相談してみよう。

「蓮翔に会いたい」

今思うのはただそれだけ。

だから一刻も早く今の仕事を終わらせないと。


「秋帆、どうした?」

「えっ、ど、どうもしないですよ。早く決めちゃいましょう、あつしさん」

「最近、変だぞ?」

「そうですか?それよりあつしさんだって変ですよ。私の事心配するなんて……熱でもあるんじゃないですか?」

私は笑って誤魔化した。

「まぁ、いいけどあまり無理はするなよ」

「大丈夫ですよ。体力には自信ありますから」

「それに最近やせたんじゃないのか?仕事終わったら飯でも食いに行くか?」

「あつしさん、どうしちゃったんですか?私に優しいなんて……」

「いつも優しいだろ?気づかなかったのか?」

「あつしさんは誰にでも優しいですから」

「そうかな?」

「まぁ、仕事しましょう」

「あぁ……」

私は、あつしさんを無視して仕事に集中した。



2時間ほど経過した。かなり集中していたからほとんどの仕事が終わった。

「お疲れさまでした」

「お疲れさま。秋帆、これから飯でもどう?」

「今日は、もう遅いので帰りますよ」

「せっかくの俺の誘いを断るとはいい度胸だな?」

「今までもそうですけど?それにあつしさんの彼女に誤解されても困りますし……」

帰り支度をして私は会社をあとにした。
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