冷徹騎士団長に極秘出産が見つかったら、赤ちゃんごと溺愛されています
「……リリーが、俺を煽ったのが悪い」
「え──」
「もう、限界だ。本当はリリーを見つけた瞬間から、きみに触れて、俺のものにしたくて仕方がなかった」
「ん……っ!」
次の瞬間、熱に溺れた唇がリリーの唇を塞いだ。
腰を引き寄せられたリリーの身体は、リアムの身体に沿うように弓なりになる。
反射的にリアムの胸に手を添えたリリーは押し返そうと試みるが、屈強な身体はリリーの力ではびくともしなかった。
「リ、リアム……っ、待って。急に──」
「待てない。今すぐに心と身体を繋げることができないのなら、キスだけでも許可してくれ」
「ひゃ……っ」
そうしてリアムはリリーの身体を軽々と抱きかかえると、そのまま部屋の片隅に置かれたベルベットのカウチソファへと移動した。
「ん、んん……っ」
その間も、リリーの唇には休むことなくキスの雨が降らされる。
優しくリリーをソファへとおろしたリアムは自身の襟元を緩めると、片膝をソファに乗せて、リリーに覆いかぶさるようにしてキスの続きを始めた。
「ん、ん……はぁっ。リアム……っ、ダメよ、こんなの……」
「わかってないな。その声は、俺の欲を余計に煽るだけだ」
「そん、な……っ」
「それに、愛しいきみを前にして……今はキスだけで我慢しようという俺の忍耐強さを、褒めてほしいくらいだ」
「んん……っ、は、ぁ……っ」
キスの合間に交わされる言葉に、身体の芯が痺れてしまう。
ついばむようなキスから、段々と深く繋がるキスに変わり、リリーは息をするのもやっとだった。
次第に頭の中がぼんやりとしてきて、何も考えられなくなっていく。
いつの間にか羽織っていたショールはズレ落ち、リリーはリアムのシャツを掴んで、彼のキスを必死に受け止めていた。