冷徹騎士団長に極秘出産が見つかったら、赤ちゃんごと溺愛されています
 

「ん……んっ、リア、ム……。だめ、こんなところで……」


 バルコニーで交わされるキスには背徳感があって、今すぐ逃げ出したい気持ちに駆られる。

 けれど当然、リアムがリリーを逃すはずもない。

 その証拠にキスは段々と甘いものへと変わっていき、次第にふたりの唇から切ない吐息が漏れ始めた。


「リアム……もう……っ」

「そうだ……。そういえば、リリーへのお仕置きが、まだだったな」

「おし、おき……?」

「そうだ。今度は俺が、リリーに事情を聞く番だろう?」


 そう言うとリアムはリリーの身体をさらに強く引き寄せた。


「何故、きみは俺があれだけ言ったのにも関わらず、グラスゴーの地下牢にいた? 場合によってはきみをあそこまで連れてきた人間のすべてを、俺は処罰しなければならなくなるな」

「そんな……っ」


 リアムの厳しい言葉にリリーが顔色を青くすると、リアムは意地悪な笑みを浮かべてリリーの顔をのぞき込んだ。


「それが嫌なら、今晩は俺の思うままにきみを抱くことを許可してもらおうか」

「え……!」

「もちろん、夜が明けるまで、何度でもだ。きみがこの間のように、いくら許してほしいと鳴いても、今晩は絶対に攻める手を緩めない」

「な……っ」


 リアムはそう言うと、はだけたリリーの背中に指先を滑らせた。

 
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