また明日も君に会えるかな。



「柊(しゅう)!」

私は家から逃れるために通っている家の近くにある神社。今は、彼に会いたいからなんだけど。

柊はいつも袴。上の着物は紺色に袴はグレーを着ている。当時は、幼かったが今は私も一九歳になり彼は……よくわからない。


「碧、今日は楽しかったか?」

「うーん……普通?」


私は、桜堂碧(さくらどう みどり)。福祉大学の二年生だ。もうすぐ施設実習があり、それだけが今の不安の種でもある。

そして、私の家……桜堂は歴史がある名家中の名家でもある─︎─︎退魔術を受け継ぎ、それを生業にしている家系。

だが、そんな家に生まれたはずなのに私には退魔術が使えない。生まれつき能力がないんだ。
幼い頃は、努力したらもしかしたら出来るようになるかもと思って努力した。だけど、努力しても出来るようにはならなかった。




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