140字物語
「目、閉じて」


囁き声に素直に従う


全身が心臓になったみたい


ゆっくりと近付いてくるのがわかる


多分、あと少し──


薄らと目を開けようとすると、そっと唇が触れ合った


目を開けると、耳まで真っ赤にして顔を背けている


なんだか物足りない


「……ねえ、もういっかい……」




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