ベジタブルハンバーガー

「私ね
りっくんのことが好きで…
たぶん、出会った時から好きで…

りっくんにダメ…って言って
ホントは自分に言い聞かせてた

好きになったらダメだよ…って

それで
あの時、無理に彼氏作ったの

覚えてるかな?
私の誕生日に彼が来なくて…
りっくんが慰めてくれた

りっくんのことが
もっと好きになった

結婚するって決めた時も
好きだった

結婚する時
オレひとりに決めてほしいって
彼に言われたのに

結婚してからも
りっくんを思い出してた
りっくんが忘れられなかった

だから
彼からも愛されなかったのかな

愛されてたのかな

私が、愛せなかった


りっくんが
ずっと好きだったから


何も変わらない
彼氏ができても…
結婚しても…
10年経っても…

まだ…
りっくんが、好き…」



好き…



オレの胸に梨花さんの声が響いた



ドキ…ドキ…ドキ…



「オレも
オレも変わらないよ

10年経っても
どぉしたらいいか、わからない…

梨花さんのことが
かわいくて
見てるとドキドキして
触れたくなって

ずっと一緒にいたくて
また会いたくなって
近くにいたくて
嫉妬して
心配で

こんなオレ
頼りないかもしれないけど
頼ってくれる
梨花さんが、好き…」



「りっくん…」



ーーー



梨花さんがキスしてくれた



ドキ…ドキ…ドキ…ドクン…



「梨花さん、甘い…」



「ん?」



「やっぱオレにもチョコちょーだい!」



「もぉ食べちゃった」



「じゃあ、こっちでいいや…」



ーーー



「りっくん…」



「ダメ?」



「…ダメじゃないよ」




ずっと

その言葉が欲しかった



ずっと

梨花さんが欲しかった



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