ベジタブルハンバーガー

私がルカの彼女になったのは

去年の秋の話



ルカと付き合ってから

学校帰り

ほぼ毎日ルカの家で過ごしてた



「ごめん、今日、仕事ある
ちょっと待ってて…」



「うん」



そんな日は

静かにルカの背中を見て

ルカの仕事が終わるのを待った




「終わった…
ノア、退屈してなかった?」



ルカの仕事が終わるころ

寝てた時もあった



「ノア…ノア…
ごめん、もぉ帰る時間だよ」



「んー…ごめん…
ルカが頑張ってるのに
寝てて、ごめんなさい…」



「せっかく来てくれたのに
今日は相手できなくて悪かった」



「んー…
明日、休みだから…泊まりたい」



「それは、ダメ」



卒業するまで泊まりはダメって

ルカに言われてた



「はーい…
じゃあ、明日は朝から来るね」



「うん
ノアが来るまでに
ちゃんと起きて待ってる」



「ルカ…」



「なに?」



キスもダメなの?



ルカの顔に顔を近付けた


ドキ…ドキ…ドキ…ドキ…


目が寄り目になるくらい、近いのに


ドキ…ドキ…ドキ…



「ノア、寝ぼけてんの?」



あーぁ…

寝ぼけてなんてないよ



「んー…なんでもない…」



ルカはキスもしてくれない



いつもマスクという鎧で守ってる




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