ベジタブルハンバーガー
「梨花さん…聞こえた?
…
それとも…嫌だった?」
聞こえた
ホントに?
「りっくん…
プロポーズ?
…
私で…いいの…?」
「他に誰かいる?」
りっくんが笑った
「りっくん…」
りっくんは笑ったのに…
「なんで、梨花さん泣いてんの…
オレが泣かした?」
「…うん
りっくんが、泣かした…
…
りっくん、好きだよ」
りっくんがギュって抱きしめてくれた
「梨花さん
今日、言うつもりじゃなかったけど
最初から、それくらい真剣だったよ」
りっくんの胸の音も
早く大きく鳴ってる
「りっくん…ありがとう
嬉しい…」
「オレ、勝手に考えてた
梨花さんと結婚して
夫婦になって子供ができて
家族になって…
…
そんな未来、勝手に想像してた」
結婚
夫婦
子供
家族
りっくん
ちゃんと考えてくれてた
「りっくんは、赤ちゃんほしいの?」
「うん
なんで?」
「私、もし、赤ちゃんできなかったら
どぉしよ…」
りっくんも私も
赤ちゃんが欲しい気持ちはあっても
アツシとの間には授からなかった
もし妊娠できなかったら…
そんな焦りもあって
りっくんに言えなかった
「じゃあ、言い方、変えるね
…
あんないいマンションにも住めないし
苦労することもあるかもしれないけど
オレと結婚してほしい
…
赤ちゃん、授かったら、産んでよ
そしたら一緒に育てよ
…
梨花さんと
梨花さんと結婚したい
…
ずっとオレといてよ
ずっとひとりにしないから…
…
…
結婚してほしい…オレと」
りっくん…
「うん
ずっとひとりにしないでね
…
赤ちゃんできても愛してね
…
おばあちゃんになっても
手を繋いでね
…
私が死ぬまで生きててね
…
りっくん、て呼んだら
すぐ来てね」
「最後のは、梨花さんちの犬でしょ」
「うん、バレた?
…
りっくん…
りっくんのこと
愛してます」
「うん
一生幸せにするね」