ベジタブルハンバーガー

「梨花さん…聞こえた?

それとも…嫌だった?」



聞こえた


ホントに?



「りっくん…
プロポーズ?

私で…いいの…?」



「他に誰かいる?」



りっくんが笑った



「りっくん…」



りっくんは笑ったのに…



「なんで、梨花さん泣いてんの…
オレが泣かした?」



「…うん
りっくんが、泣かした…

りっくん、好きだよ」



りっくんがギュって抱きしめてくれた



「梨花さん
今日、言うつもりじゃなかったけど
最初から、それくらい真剣だったよ」



りっくんの胸の音も

早く大きく鳴ってる



「りっくん…ありがとう
嬉しい…」



「オレ、勝手に考えてた
梨花さんと結婚して
夫婦になって子供ができて
家族になって…

そんな未来、勝手に想像してた」



結婚

夫婦

子供

家族



りっくん

ちゃんと考えてくれてた



「りっくんは、赤ちゃんほしいの?」



「うん
なんで?」



「私、もし、赤ちゃんできなかったら
どぉしよ…」



りっくんも私も
赤ちゃんが欲しい気持ちはあっても

アツシとの間には授からなかった



もし妊娠できなかったら…

そんな焦りもあって

りっくんに言えなかった



「じゃあ、言い方、変えるね

あんないいマンションにも住めないし
苦労することもあるかもしれないけど
オレと結婚してほしい

赤ちゃん、授かったら、産んでよ
そしたら一緒に育てよ

梨花さんと
梨花さんと結婚したい

ずっとオレといてよ
ずっとひとりにしないから…


結婚してほしい…オレと」



りっくん…



「うん
ずっとひとりにしないでね

赤ちゃんできても愛してね

おばあちゃんになっても
手を繋いでね

私が死ぬまで生きててね

りっくん、て呼んだら
すぐ来てね」



「最後のは、梨花さんちの犬でしょ」



「うん、バレた?

りっくん…
りっくんのこと
愛してます」



「うん
一生幸せにするね」



< 552 / 575 >

この作品をシェア

pagetop