かまぼこ
夏と陽炎
涼子が、しんだ。
汗だくになって家の引き戸を勢いよく開けて、開口一番、親父はそう言った。
お袋は朝ご飯の青ナスみたいに真っ青な顔をして、口元に手を当てて、震えていた。
このまえ駅前の古玩具屋で買ったゲームが僕の手から滑り落ちて、緑色のカーペットで音を立てる。
陽炎が。親父の後ろでゆらゆらと揺れて、不気味な蒸し暑さが僕を包んでいた。
汗だくになって家の引き戸を勢いよく開けて、開口一番、親父はそう言った。
お袋は朝ご飯の青ナスみたいに真っ青な顔をして、口元に手を当てて、震えていた。
このまえ駅前の古玩具屋で買ったゲームが僕の手から滑り落ちて、緑色のカーペットで音を立てる。
陽炎が。親父の後ろでゆらゆらと揺れて、不気味な蒸し暑さが僕を包んでいた。