*SS集*お稲荷様のお呼びです!
どうしたものかと思考を巡らさていると、慌ててこちらへ向かってくる足音が響いて聞こえてくる。
「舞紀ちゃんっ!!」
東さんが私の肩を急に掴んだかと思えば、私を無理に客間から引き剥がすように廊下へと押しやった。
そして客間にいるその男性に向かって声を上げる。
「ちょっと嘉さん!!なんで客間にいるんですかっ!!」
「俺がこの家のどこに居ようが、俺の勝手だろうが」
「人の家を所有物かのように言って……!」
「童のくせに生意気な口をよく叩く」
「今はそんな事どうでもいいですからっ!とにかくお友達が来てるんです!居間にでも行っててください!」
「俺に命令するな」
そんなやり取りを私は呆然と廊下で見聞きしていると、ぽんと背中を叩かれビクリと肩を震わす。
慌てて振り返るとそこには、あの男性とも引けを取らない幼さが残る美少女がそこにいた。
「騒がしくてすまんな。千代が用意した茶を持ってきたから、私達は居間でくつろぐとしよう」
そう言って、おいでと言わんばかりに優しく誘導されて広い居間に通されて私は落ち着きがないまま座布団の上に腰を下ろした。