あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「ごめん！ちょっとトイレ行ってくる！」

未来はそう言い、図書室を飛び出す。これから小説を書くのだ。

未来が図書室のドアを閉め歩き出した刹那、未来の体が白い光に包まれた。



未来が目を開けると、目の前にはいつものようにミーナが立っていた。その手にはワッフルがある。

「来たな！では今日も小説を書いてくれ。私はベルギーとオランダを楽しむ！」

ミーナがそう言いながらワッフルを頬張り、すっかり見慣れたその光景に未来は微笑む。その時、疑問が頭によぎった。

「ねえ、ミーナ。この小説が完成したら私たちはどうなるの？」

「どうなるって元の日常に戻るだけだが？」

「……帆高くんたちとはどうなるの？」

未来が訊ねると、ミーナは面倒くさそうに息を吐きながら大きな紙を取り出した。その紙の中心には何か文字が書かれており、そこからたくさんの線が出て文字が書かれている。未来には何が書いてあるのかわからない。
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