あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「これは何？」

未来が首を傾げると、ミーナは「お前の人生に深く関わる人間が書かれている」と答えた。未来は驚き、その紙を見つめる。誰の名前が書いてあるのかはわからないが、自分の人生に関わることに未来はドキドキしてしまった。

「お前がこの小説の中で出会った人間は、本来ならばお前とは関わることがなかった人間なんだ。つまり、小説を書き終えたならもう互いに会う必要もなくなる」

ミーナにそう言われ、未来の胸がドクンと音を立てる。指先が冷たくなっていくのがわかった。まだ物語は続くはずなのに、泣きそうになってしまう。

「……帆高くんたちに会えなくなるの？」

「それはお前次第だ」

ミーナはそう答え、その場から姿を消す。ミーナが立っていた場所をジッと見つめていた未来は英美里に声をかけられ、冒険の旅にまた出ることになった。



「今日はどの道を歩けばいいの？」

未来が訊ねると、帆高が「とりあえず南に進むことになってるばい」と笑う。その顔を見て未来は頬を赤くしてしまった。また告白のことを思い出してしまう。
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