あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜

「未来ちゃん、一緒に回ろう！」

未来は瑠花と英美里に声をかけられ、未来は「うん」と頷く。帆高は大地と回るようで、瀧は一枚の絵をジッと見つめていた。

「この絵、素敵じゃない？」

「確かに可愛い！」

「ポストカードにしてもらいなぁ」

絵を見て回り未来と瑠花、そして英美里ははしゃぐ。芸術のことはわからないものの、可愛らしい犬の絵や舞踏会の絵など綺麗な絵に心を惹かれていく。

「ねえ、あそこ見て」

しばらく絵を楽しんでいた三人だったが、瑠花が不意に未来と英美里の手を掴む。瑠花の目の先には綺麗なランプが置かれた中庭がある。

「わあ……！」

未来たちは中庭に出て今度はランプを見て回る。宝石が埋め込まれているものや色鮮やかなものまでたくさんある。

「夜だったらもっと綺麗なんだろうな」

未来がそう言うと、「夜にもう一回来たいね」と英美里も笑った。その時、ピンと穏やかな空気が突然張り詰めた。風が強く吹き、未来は顔を上げる。