あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
シトロンがそう言い、未来に頭を下げる。そして、ミーナが未来の世界で遊びたいが小説の締め切りがあるため、小説の登場人物に容姿や性格が似ている未来に小説を書いてほしいとのことだった。

「もちろん、お前一人ではないから安心しろ。他の主要キャラにぴったりな人物を五人お前の世界から連れて来た。小説はお前たちがこの物語の中で動くことによって勝手に作られていく。全員で集まる日を決めて進めて行ってくれ」

ミーナがそう言い、パチンと指を鳴らす。すると、未来の着ている服が中学校の制服から可愛らしい衣装に一瞬にして変わった。膨らんだ袖が特徴的な緑のワンピースだ。リボンタイを胸元で結び、ワンピースの袖のようにふんわりとした白いパンツも履いている。靴もおしゃれなブーツだ。

「可愛い〜!」

はしゃぐ未来に、シトロンが「この小説の中であなたは魔獣使いです。なのでこれを……」と分厚い本を手渡した。未来が本をめくると、そこにはペガサスやグリフォンなど空想上の生物が描かれている。
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