あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜

「榎本。俺が動いたら花を取り戻して足立のところに村瀬と行け」

エルルカを睨み付ける未来は瀧に小声で囁かれる。そして未来が返事をする前に瀧はエルルカに向かって弓を放っていた。続いて大地がエルルカに向かって突っ込んでいく。

「くっ！」

エルルカが術を使おうとすると、英美里が呪文を唱える。すると大地の体力が回復し、素早く剣を振り下ろしていく。その早さにエルルカは避けることしかできない。

エルルカが避けると大地はすぐに攻撃を繰り返す。それを繰り返して数分、エルルカの手から花が滑り落ちた。

「隙あり！！」

未来は素早くその花を拾い、帆高の手を掴む。エルルカは「花を返せ！！」と叫ぶが、大地がまた剣を振り下ろした。

「あとはお願い！」

未来がそう言うと、英美里たちは「瑠花ちゃんをお願い！！」と言いまたエルルカの方を向く。その間に未来と帆高は美術館を飛び出し、ドラゴンに飛び乗って瑠花のもとへと急いだ。