あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「ローザさん!花を手に入れることができました!」
未来がそう言うと、ローザは「本当!?すごいわ!!」と目に涙を浮かべる。そしてすぐに帆高が文献を読みながら薬が作られた。
「少し冷まして……。よし!完成ばい!」
帆高が微笑み、薬を作った未来は手元にある黄金の液体を見つめる。花をすり潰し、お湯に浸したその薬は伝説通りどんな病気や呪いにも勝てる気がする。
「瑠花ちゃん、飲んで……」
ローザが瑠花の頭を上げ、未来は薬を瑠花の口の中に流し込んでいく。全て瑠花が飲み切って数秒すると、瑠花の体から黄金の光があふれ出した。
「これが伝説の……!」
ローザが驚き、未来と帆高も瑠花を見つめる。すると、体にあった黒い蛇のような模様は消え、熱も下がっている。そして瑠花の目がゆっくりと開かれた。
「未来ちゃん、帆高くん……。私……」
瑠花が話したことに未来と帆高は泣きながら笑い、「瑠花ちゃん!!」と叫んだ。そして今までのことを話す。