あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「ならみんなに会いに行かないと！！」

瑠花はガバリと体を起こす。呪いにかけられていたなど嘘みたいだ。未来は微笑み、ドラゴンをもう一度召喚する。そして帆高と瑠花と共に美術館跡へと向かった。

大地たちは美術館跡の前に立っていた。その顔は何かを考えているような顔だったが、未来たちを見つけるとその顔は喜んだものに変わる。

「足立！！」

「瑠花ちゃん！！」

「みんな、私なんかのためにありがとう」

微笑む瑠花に英美里が泣きながら抱き付く。そして「私なんかって言わないで！」と言った。

「瑠花ちゃんは私の……私たちの大切な友達なんだから！助かって本当によかった……」

英美里が泣いているのを見て、未来の目にももう一度涙が浮かぶ。気が付けば、未来も大声で泣いていた。瑠花の瞳にも涙が浮かぶ。

六人は抱き締め合いながら気が済むまで泣いた。そして、その絆はさらに強固なものになっていく。



エルルカは玉座に崩れ落ちるようにして座った。そしてその顔に手を乗せて、フウッと息を大きく吐く。

「……またあの子の願いを叶えられなかった」

エルルカの声が、暗い部屋に響いた。
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