あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜

「生ぬるい」

エルルカはそう呟いた後、黒い光線を放つ。英美里が防御魔法を唱えたが、未来の召喚した魔獣は全て消されてしまい、エルルカに近いところに立っていた瑠花はエルルカの光線を避けた際に転んでしまっていた。

「今度こそ、お前の願いを……」

エルルカはそう言い、地面に倒れている瑠花に近づく。そして瑠花を無理やり立ち上がらせ、瑠花の細い首を絞め始めた。

「瑠花ちゃん！！」

未来が叫び、帆高たちも瑠花を助けようとする。しかし、エルルカが黒い膜のようなものを作ってしまったため、瑠花を助けることができない。瑠花はエルルカに首を絞められ、苦しげな表情をしている。

「瑠花ちゃん！！」

「クソッ！助けられない！！」

「このままじゃ瑠花ちゃんが……！！」

「エルルカ！！卑怯だぞ！！」

四人はドンドンと黒い膜を叩く。しかし、幕にはヒビ一つ入らない。未来は本を開いて「力を貸して！！」と魔獣を四体召喚した。青龍、朱雀、白虎、そして玄武だ。