あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
悲しい、苦しい、痛い、辛い、誰にも話せない、生まれてきてごめんなさい、生きていてごめんなさい、死にたい、殺されたい、誰か私を殺して!!

その感情は、まるで首を絞められているかのように未来から息をすることを奪う。瑠花の中にある黒い感情がナイフのように突き刺さっていくのだ。

「殺してほしい。これが瑠花ちゃんの願い……?」

そう呟きながら、未来は旅の様子を思い返す。たくさんのピンチがあった。しかし、いつも瑠花だけが命に危険が及ぶ出来事に遭遇していた。それは全てこの願いのせいだったのだ。

「私は親切だ。だからこの魔女の願いを叶えたい。しかし、私が手を下そうとするといつもお前たちが邪魔をする。だからいい方法を思いついた」

エルルカはそう言い、呪文を唱える。すると空中からふわりとベッドが落ちてくる。そのベッドの上に眠る存在に未来たちは驚いた。

機械をつながれた瑠花がベッドの上で眠っている。ピッピッという電子音はベッドの上で眠る瑠花が生きていることを示していた。
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