あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「ありがとう」
そう言い、未来が前を見ると瑠花はベッドに眠る自身をぼんやりとした顔で見つめていた。ナイフを握る手の力が強まっているのがわかる。瑠花はそのままナイフを振り上げ、英美里が悲鳴を上げた。
未来の頭の中に、瑠花と初めて会った時のことなどが思い浮かぶ。瑠花はいつだって優しくみんなを支えてくれていた。瑠花にみんな助けられていたのだ。
「瑠花ちゃん、エルルカ、全てを終わらせる前に聞いてほしいの」
未来は覚悟を決め、深呼吸をして口を開く。瑠花の体がピタリと動かなくなり、冷静になった未来を見てエルルカは「何事だ」と言いたげな目をしている。未来は無表情な瑠花を見つめながら口を開いた。
「瑠花ちゃん、ずっと苦しんでいたんだね。気付いてあげられなくてごめん。ずっと一緒にいたのに、全然助けられなかった。瑠花ちゃんはずっとあたしたちを支えてくれていたのに……」
瑠花の瞳が大きく揺れる。エルルカが「それだけか?ならば瑠花、早く刺せ」と言う。瑠花が動く前に話さなければと未来は口を開いた。
そう言い、未来が前を見ると瑠花はベッドに眠る自身をぼんやりとした顔で見つめていた。ナイフを握る手の力が強まっているのがわかる。瑠花はそのままナイフを振り上げ、英美里が悲鳴を上げた。
未来の頭の中に、瑠花と初めて会った時のことなどが思い浮かぶ。瑠花はいつだって優しくみんなを支えてくれていた。瑠花にみんな助けられていたのだ。
「瑠花ちゃん、エルルカ、全てを終わらせる前に聞いてほしいの」
未来は覚悟を決め、深呼吸をして口を開く。瑠花の体がピタリと動かなくなり、冷静になった未来を見てエルルカは「何事だ」と言いたげな目をしている。未来は無表情な瑠花を見つめながら口を開いた。
「瑠花ちゃん、ずっと苦しんでいたんだね。気付いてあげられなくてごめん。ずっと一緒にいたのに、全然助けられなかった。瑠花ちゃんはずっとあたしたちを支えてくれていたのに……」
瑠花の瞳が大きく揺れる。エルルカが「それだけか?ならば瑠花、早く刺せ」と言う。瑠花が動く前に話さなければと未来は口を開いた。