あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜

「瑠花ちゃんは、家族に必要とされてないかもしれない。みんなが当たり前に知っている家族の温もりを知らない。死にたいって思って死のうとして、本当に辛いんだよね。でも、これだけは言わせてほしいの。瑠花ちゃん、産まれてきてくれてありがとう」

未来がそう言った刹那、揺れていた瑠花の瞳から涙がこぼれ落ちる。体が小刻みに震えていた。それを見つめる未来の隣に帆高が立つ。

「学校で先生が言ってたけん。この世界に生まれなくていい命なんてないって。瑠花ちゃんに会えて、一緒に小説を書くことができて、僕は……僕らは幸せけん。出会ってくれてありがとう」

続いて英美里が口を開く。

「瑠花ちゃんが私の些細な話を聞いてくれて、笑ってくれたり考えてくれたりして、すごく嬉しい。瑠花ちゃんは自分のことが嫌いかもしれないけど、私たちは優しい瑠花ちゃんが大好きよ。Thank you for being kindness（優しくしてくれてありがとう）」