あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「好いとうよ。……もう遅いかもしれないけど」

自分たちが本来つながるはずのない人間だということを、帆高も知っているのだ。未来の胸が痛くなる。未来は震える唇で言った。

「あたし、この胸の中にある気持ちが何かまだよくわからない……」

未来がそう言うと、帆高は「そっか……」と俯く。未来は帆高の手を取ってミーナとシトロンのもとに走った。ミーナたちに言わなければいけないことがある。

「ミーナ!シトロン!あたしの願いを叶えてほしいの!!」

「どんな願いだ?一つだけだぞ」

ミーナがそう言い、未来は「わかってるよ」と微笑む。前はたくさん願い事があったけれど、今はもうこの一つしかない。

「みんなとこれからもつながっていたい!みんなと現実の世界でも会えるようになりたい!」

未来はそう言い、驚く帆高や泣き出しそうな英美里や瑠花、顔を上げた大地と瀧を見つめる。

「みんなともっと遊びたい。笑いたい。この気持ちははっきりしてる」
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