あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
未来がそう言うと、帆高に優しく頭に手を置かれた。帆高は涙を目に溜めながら笑っている。

「なら、返事は現実の世界で会えた時に聞かせてもらうばい。楽しみにしてるけん」

「ありがとう、帆高くん」

未来はお礼を言って、涙をこぼす。次に会えるのはいつかわからない。北海道と福岡はあまりにも遠すぎる。それまでゆっくりこの気持ちを考えよう。未来は涙を拭いながら思った。

「ミーナ、シトロン、僕も願いを変更するけん」

帆高はミーナとシトロンを見て、言う。

「普通になりたい、それが僕の願いだったばい。でも、普通になれてもみんながいなきゃ意味がないけん。僕もみんなと会って色んなところに遊びに行きたいけん」

「私も、願いを変える!」

帆高が言った後、英美里が泣きながら口を開いた。

「カナダに帰りたいって願っていたけど、日本でみんなが頑張るなら私だって頑張れる!みんなと会えるなら、どんなことも頑張ってみせる!」
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