あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「俺もみんなに会いたい。剣道をもう一度することより、ここで出会った友情を大切にしていきたいんだ」

大地がそう言い、瀧も「俺もそう思う」と頷く。

「いじめっ子に復讐するなんて馬鹿な願いはやめる。こんなことをすれば、エルルカとしていることは変わらない。……みんなといる方がいいじゃけん」

「私も、みんなに会いたい。生きて、みんなと一緒に幸せになる」

瑠花も泣きながら言う。

全員の願いが一致した。願いを言った後、未来たちは涙をこぼして泣き始める。現実の世界ではもうしばらくこうして触れ合うこともできないのだ。簡単に会えない距離がもどかしい。

「その願い、叶えてみせよう」

「あなた方は僕たちを救ってくれましたから」

ミーナとシトロンがそう笑顔で言い、大地が「お願いします!!」と泣きながら言う。そして、未来たちの体は白い光に包まれていった。本当にお別れの時間だ。未来たちは互いに抱き締め合う。

「絶対会おう!」と大地。

「会うって約束、忘れるなよ」と瀧。
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