あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
この世界で未来は魔獣使いとして人々から尊敬され、仲間を助けていた。しかし現実では違う。いつもドジばかりで、みんなからの笑われ者。誰かを助けることなどできなかった。

この辛い気持ちを誰かにわかってもらいたい、誰かの役に立ちたい、誰かを助けたい、それが未来がずっと心で思っていたことなのだ。

「さあ、もうお前も帰る時間だ」

ミーナは未来を離し、微笑む。未来の目の前がまた白い光で包まれていった。

「ありがとう、ミーナ」

未来はそう言って笑う。ミーナも微笑んでくれた。

目の前は白一色になり、やがて黒に染まっていく。



目を開けると、未来は自分の家の廊下で立っていた。服装も、魔獣使いの可愛らしい衣装ではない。デニムのジャンパーワンピース姿だ。

「……戻ってきたんだ」

北海道に帆高たちはいない。寂しさがまたこみ上げ、未来は泣いてしまいそうになる。その時、ピコンとスマホが鳴り響いた。

「えっ!?」
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