あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「未来ちゃん、瀧くんたちはどこに行ったばい?」

「瀧くんたちは今日の夕食のバーベキューの用意を手伝ってくれてる。せっかく北海道に来てくれたんだから、帆高くんもジンギスカン食べてほしいな〜」

もちろん普通のお肉も野菜もあるからね、そう言って笑う未来ちゃんを、僕はたまらず抱き締めていた。二人の距離がゼロになる。

「ほ、帆高くん?」

未来ちゃんは僕の腕の中で顔を赤くする。未来ちゃんは僕より十センチほど小さくて、とても柔らかい。優しくてそれでも激しい鼓動が僕の耳に伝わった。

「未来ちゃん、ずっと会いたかったけん……」

未来ちゃんに触れていると、自然と今まで会えなかった寂しさがこみ上げてくる。気が付けば、僕は未来ちゃんを抱き締めたまま泣いていた。未来ちゃんは驚いた顔をする。

「ずっと、ずっと、好いとうよ。一日たりとも忘れられなかった。こうして触れてみたかった……」

そう告白しながら、僕の胸には恋による胸の高鳴りと緊張があった。再会した今、未来ちゃんからこの恋の結末が告げられるから……。
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