あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
一体どんな修行が待っているのかとドキドキしながら、未来たちは走り出した。



一時間ほどほとんど休むことなく未来たちはジークのあとを追って走らされた。ジークは息一つ乱れていないが、未来たちは荒い息を吐き、その場に倒れるように座り込む。

「あれが勇者を育てる村じゃ」

ジークの指差す先を未来は見つめる。丘を下ったところに小さな村が見えた。木で作られた建物が見える。

「あそこで私たちは修行を……」

瑠花の言葉をジークは頷き、歩き出す。未来たちもゆっくりと立ち上がり、足を引きずるように歩く。

「村長様!」

「おかえりなさい!」

村の入り口にジークが立つと、建物からたくさんの人が出てきた。剣士や魔女、未来と同じ魔獣使いなど、様々な役職の人がジークを取り囲む。その中にはまだ六歳ほどの子どもの姿もあった。

「ただいま戻った。それぞれ稽古に励め」

「はい!!」

ジークの一言で剣士たちはまた建物に戻っていく。その様子を見ていた未来たちの方をジークは向いた。
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