あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
「お前たちにも師範をつけよう」

そうジークが言うと、風が吹いていく。そしてその風の中から五人の男女が現れる。

「魔獣使いはここに残れ。あとは全員それぞれの師範から学べ」

ジークがそう言うと、師範たちは「ジーク様、任せてください！」と頷き、帆高たちの前に立つ。これからバラバラになってそれぞれの修行が始まるのだ。そう思うと、未来の中に少し不安が生まれる。

「みんな、頑張ろうね！」

未来がそう言うと、「うん！お互い頑張れるけん！」と帆高が笑う。瑠花たちも、それぞれ不安などの感情を浮かべながら頷いた。

帆高たちが連れて行かれた後、未来はジークを見つめる。

「ジークさんがあたしに教えてくれるんですか？」

「そうだ。お前、名は何と言う？」

「未来。榎本未来と言います」

「未来か……。良い名だ」

ジークに褒められ、未来は嬉しくて微笑む。そしてジークに連れられ、未来は森の中に作られた広場へと立つ。広々とした広場には未来の家の牧場のような柵がされている。
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