あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
未来たちの前にマーメイドラインの白いドレスを着た長い黒髪の美しい女性が現れ、優雅なお辞儀をする。付き人がいることから身分が高いのだろう。

「は、始めまして……」

美しいその女性が放つオーラに、未来たちは緊張してしまう。すると、女性はふわりと優しく微笑んだ。

「私の名前はマリーナ。この街を統治している領主の娘です。勇者様方にお会いしたいと思っていたのですが、その願いが叶いました」

よければうちにいらしてください、そうマリーナに言われ、未来たちは吸い寄せられるようにマリーナの住んでいる屋敷に船で向かうことになった。



マリーナの屋敷は、水の上に建てられた三階建てのおしゃれなものだった。

「水の上の家なんて、すごいけん」

帆高がそう言うと、マリーナは「この辺りは昔から水と風が入り混じる不思議な土地でした。水と風の力を借りて、この街は発展していったんです」と屋敷の大きなドアを開ける。

「わあ……！」

お屋敷の広さと豪華さに、未来たちは圧倒される。天井にはシャンデリアがあり、見たことのない骨董品が多く置かれている。
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