モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

「久しぶりだね 渚。」

西野のことを 考えて ぼんやりしていた私。

「あっ。誠。カッコよくなったじゃない。」

私に 声をかけたのは 山内 誠。

確か 誠は 東京で 就職したはず。


「渚 今 どこに住んでいるの?」

「私?中野。誠は?」

「高円寺。近いよね。」

「ねぇ。10年前も 同じ会話 しなかった?」

「した。今度 東京で会おうって。」

「そうだよ。誠 連絡 くれないから。」

私は 誠と 顔を見合わせて 笑う。


東京で 仕事をしていると 

独特の 空気感が 身に着く。


私は 誠から それを感じて ホッとしていた。

地元の人達には ないものだから。


「そのうちって 思いながら 10年経ってた。」

誠は 少し恥ずかしそうに 私に言った。

「うん。東京って 時間の流れが 早くない?」

「そうそう。俺も 最近 すごく感じる。」

「今度こそ 絶対 連絡ちょうだいよ。」

「本当にいい?」

誠は 探るように 私を見る。


「もちろん。」

私が 笑顔で頷くと 誠も 安心した顔で 笑った。








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